連日の強行スケジュールで疲れていたため、ゆっくり9時に出発。
五愛路からバスに乗るが、地方から働きにきている人たちで満員である。
娘は昨年の私と同様、入り口付近に立って、写真を撮りまくっている。
次々と乗り込んでくる客に押しやられ私たちは奥へと進む。
目の前の客が降りる。すかさず、若者がそこへ荷物を置いた。
「ちょっと待て、ここに眼の悪い人がいるから譲ってくれ」
「どこに、そんな人がいる?」
無理に座らされ、白杖を膝元に立てた私を見て、彼はようやく納得したような
顔をした。
(しかたないなー…)
私は申し訳なくて、座り心地が悪かった。別に立っていてもよかったのだが。
私の両脇どうしで活発に話しが飛び交う。まるで、私の存在感などない。
「な、見たら地方から来ている人だとわかるだろう」
立っている陳さんが言う。
「そうかな、言われればそんな気もするけど…」
無精ひげで日にやけた顔には、生気がみなぎっていた。
終点直前のバス停で彼らは降りて行った。
三国城につくや小雨が降ってきた。
虎牢関の闘いのイベントが、昨年同様すでに始まっていた。
観客で満員。それを、かき分けてシャッターを押す娘。
私は傘を取り出して眺めていた。
「このイベント、次は午後の4時らしいよ。また戻ってきて見ような」
興奮する顔は、イベントに確実に魅せられている。
雨宿りするも、雨の勢いは増してくる。
そんな中、歌劇場を見つける。ここの座席も人でいっぱい。
我々は最上部に席を確保することができた。
見ると、小学生らしい子供が前の席を占めている。
この雨では、他に行くところもないのだろう。
やがて、歌劇が始まった。
陳さんの解説によるとこうだ。
お金持ちの娘が結婚することになった。昔の話しだから、
むろん娘は彼の顔を知らない。結婚式当日、彼の顔を見てあまりにも不細工。
彼女は逃げ出す。逃げ出した先で、今度は男前を見つけて追っかける。
にぎやかな音楽と歌には、そんな意味があったらしい。
しかし、小学生に見せるものではない。R15なんてのは、無いのか。
解放的といおうか私などには理解できない。
雨が降り続けていることもあって、退席するや次の公演に備えて
座席はすぐに満席となる。
小雨の降り続く中を、うろつく。途中の売店でカッパ(雨具)を5元で購入。
これなら、リュックも濡れないし歩きやすい。
太湖を周遊する船は出発間際には超満員となる。
上海からのバスツアーで来ている上海人の話によると
1日周遊ツアーで120元だと言う。かなりの格安である。
往復のバス代、三国城.水滸城の入場券、
その他観光地も連れて行ってくれるのだから。
こんなツアーを利用する観光客で三国城はにぎわっていた。
昼食は昨年も利用した食堂へ入る。15元也。
トイレに行った娘は言う。
「観光地なのに、汲み取りトイレだった」
「ええじゃないか、中国らしいじゃないか」
同席した上海人から誘われた“カンフーショー”は
雨のため、中止となった。
残念ながら、その他のイベントも次々と中止となる。
しかたなく、水滸城へ移った。
ここへ入ると三国城へは戻れない。虎牢関の闘いのイベントも
この雨では、おそらく中止になるはずだから、仕方なかった。
水滸城の映画のセットはかなり見ごたえがある。
牢獄に入り、処刑台に首をのせて写真をパチリ。
これが現実だと思いながらも、かなり楽しめる。石庭も今にも中世の人々が
出てきそうなぐらいリアルであった。
タイムスリップしたひと時でした。
夕方早々に五愛路へ帰ってから、市場へと繰り出す。
日本の若者の間で流行っているワンピース、1万円ぐらいを
1200円で購入。しかし、売り子さんは
「日本人だから高く売らないと…」
そんな言葉も郭さんの助けで切り抜ける。
スニーカーは375円也。2足も買っていたが
(家の下駄箱にはもう入らないぞ)
言いたくても言えなかった。
夜は陳さん宅でごちそうになる。
北京ダックは中でも美味。食べられないよう〜
それでも、皿は次から次へと出てくるのであった。
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