すしづめで、もみくちゃpart2
(3月11日)
朝、9時27分蘇州発の汽車。
指定席券が取れなかった私たちは、早めに駅へ向かう。
待合室へ行くと、すでに人、人でいっぱい。
かろうじてイスを見つけて座るが、
先が思いやられる。(が、実は楽しみでもある!)
改札がはじまった。
いっせいに人々がなだれ込む。
陳さんに遅れないようついて行く。
荷物が足にぶつかる。
「先生、階段気ーつけてや」
私は端の手すりを持って、慎重にかつ急いで降りた。
汽車はまだ入っていなかった。
私たちは並んで待った。
ホームにはバラバラに人が立っていた。
(あの人らが突っ込んでくるんだろうな)
やがて、汽車が入ってきた。
汽車がとまると入り口では、
2重3重に人垣ができる。
降りる客が優先である。
たくさんの人が降りる。
(これなら座れるかもしれないな)
この考えはすぐに打ち消される。
最後の客がおりるや入り口に殺到する人々。
陳さんの後ろを必死でついていく。
横から割り込む人を手でガードしながら、ついていく。
陳さんがステップを1段上がった。私も続こうとした。
「○ △ ■ ×…」
大声で横の人を怒鳴っている。横の人も負けていない。
車内に入ったところにカバンを置き、立ち位置を確保する。
人はまだまだ入ってくる。背中は荷物でバンバンたたかれる。
「○ △ ■ ×…」
いちだんと大きな声がして、みんな振り返る。
「何て言ってるの」
「もっと奥へつめんか。入られんやないか」
ようやく全員が乗り込んだようだ。
網棚には荷物がギッシリつまっている。
網棚は奥行きが1mほどはあるだろうか。大きい。
ギッシリつまった荷物の隙間に、さらに荷物をつめていく。
途中で降りる人が荷物を取ったら、あれはどうなるのだろう。
その前に、自分の荷物を取り出すことができるのだろうか。
見てみたかった。(野次馬根性ですね〜)
しかし、荷物がでかい。それも、はんぱな大きさではない。
やがて、汽車が動く。目の前には3人がけのイス。
横は家族連れが荷物に腰掛け、陣取ってしゃべっている。
「さっき、何をどなってたんや」
「入ろうとすると、荷物が左手をブロックして
動かんかった。文句を言ったら
“知らんわ。自動的に荷物がそこに
はまっただけや”って言うてな
腹立つやろ」
あの状況ではどうしようもない。
しかし、怒っているように見える怒鳴り声も
生活の一環。みんな、あとくされはない。
すしづめ状態の車内に、また大声がする。
見ると、ワゴン車を押しておっさんが物を売りに来た。
(何もこんな満員電車の中で、売らんでも)
器用に乗客は避け、ワゴン車は通っていく。
すし詰め状態に余裕はないはずだが通り過ぎていく。
日本のワゴン車に比べると横幅が狭い。
これまた、不思議な光景。
カップヌードルを売りにくるおばさんが来た。
何人かのお客が買う。その後にポットを持った女性が湯を注ぐ。
とたんに、匂いが立ち込めた。
お次は“靴下”売りがやってきた。
こんな車内で買う人がいるのかと、見ていたがこの車内では
誰も買わなかったようだ。
目の前にイスに座っているおじさんは、トランプをやっている。
横に立っていた兄ちゃんが、飲み終わったボトルを
トランプ遊びしているテーブルに置く。あきらかに、ゴミ。
カップヌードルのからも置かれる。
おじさんは何も言わない。
やがて、ゴミ袋を持ってゴミを集めに来る人が
やってきた。テーブルの上はきれいになった。
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