考えてみれば



「来月いつだっけ、ソウルは」
「12日から二泊三日よ。どうして」

 子供たちも巣立ち、妻と私は友人たちとの
旅行を楽しみにしている。

とりわけ、韓流ブームが過ぎた今でも
妻は奥様連中とドラマのDVDやビデオを交換し、
ネットで無料テレビのドラマを見ています。
熱はまだ覚めやりません。

ドラマを見ているときは、声をかけようものなら
「シィー」
と付け入る隙を与えないほどです。

「Nさんはつき終わりのほうがいいって言ってたんじゃないの」
「それじゃ私の方が困るのよ。20日過ぎからは、材料が
たくさん入ってきて忙しくなるから」
 どうやらみなで相談して決まったようだ。

「忙しくなるって、別にパートなんだから気にすることないんじゃないの」
「そりゃそうだけど、そうもいかないわ。他の人にも悪いもん」

 妻は大型機械メーカーの下請工場でパートをしています。
この経営者が横暴で、彼女は帰ってくるとよく愚痴をこぼしていました。

忙しければ祝日も土曜日も出勤、
仕事が暇なときは休まされていた。

 パート仲間の中には、ご主人の扶養家族に入っていて
一定の収入を超えないように調整している人がいます。
彼女はそんなことはせず、収入を気にせず働くため残業も
率先してやっていました。

 むろん社会保険も入っているし税金も徴収されているのです。
だから経営者にすれば融通のきく使い勝手のいい働き手なのです。

以前かなり忙しい時期がありました。
週6日出勤で残業もフルにやっていました。
そうなるとパート仲間うちでは、ボーナスの話題になります。
ボーナスといっても数万円程度のもので、
寸志とよぶほうがふさわしいのでしょうが。

ところが経営者は朝礼で、
「今期は忙しいが、利益が上がらないので....」
言い訳ばかりでボーナスを出す気配がまったくありません。

みな怒り出しました。
残業を拒否します、休みを取る人が
出てきます。
休んでも家計に影響のないひとが休みます。

そうなると困るのが数人いる正社員です。

その課長がたまらず社長に嘆願して寸志が出ました。

たかがパートと私などは思っていましたが、
実は日本の産業のあらゆるところにこのような
働き手がいるのでしょう。

景気回復の兆しが出てきたと報道されます。
なかなか実感はわきませんが、彼女らの働きが大きいと思います。
日本人は勤勉だ、そのことがよくわかるのです。

買い手市場優位の雇用環境です。
自分の小遣いを稼ぎにきている。
離婚して母子家庭を支えるため働いている。
高齢の親を介護しながら働く。
結婚もせず、パートをしている。
いろんな人がいるようです。

パート仲間はそれを、助け合い励ましあっているのです。
しかし、女性はグループでうごく傾向があります。
仲間はずれ、いじめ、聞くに堪えないこともあります。
愚痴や不満を聞きながら、考えさせられました。
          (06年3月16日)

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